外務省軍縮・平和研究所が公報文発表

【平壌2月3日発朝鮮中央通信】朝鮮民主主義人民共和国外務省軍縮・平和研究所は2日、「米国の新たなミサイル防衛システム構築企図は全地球的安全の均衡を甚だしく破壊する新たな『スター・ウォーズ』構想である」と題する次のような公報文を発表した。

無分別な軍備拡張で自分の軍事的覇権を維持し、自主的な主権国家を圧殺しようとする新米行政府の覇権的企図が執権の初日からはっきり表出している。

先日、米国がいわゆる敵国の増大する「戦略的脅威」から本土と同盟国の安全を保証するという看板の下、ミサイル防衛システム(MDシステム)をさらに拡大する構想を発表したのが代表的実例である。

米国の新たなMDシステム計画は、上昇段階にある各種のミサイルを探知および迎撃可能な次世代ミサイル防衛ネットと宇宙基盤ミサイル迎撃システムの開発と配備に拍車をかけ、同盟国との共謀・結託の下で地域MDシステムを一層強化しようとする侵略的目標を掲げている。

冷戦時代に米国が持ち出した危険極まりない「スター・ウォーズ」計画の亡霊を呼び寄せる新たなMDシステム構想は、その実現可能性いかんはさておき、敵国の「脅威」に対処するという口実の下で軍備増強を正当化するところに危険性がある。

1980年代に米国は、旧ソ連の核脅威に対処するという名目の下で「戦略防衛構想(SDI)」を考案することで、全世界を核軍備競争のるつぼの中に追い込み、2002年には「本土安全」の美名の下に迎撃ミサイル制限条約から一方的に脱退し、わが国をはじめとする自主的な主権国家を標的としたMDシステムの構築に狂奔した。

その後も、米国は次世代迎撃ミサイルと地上配備型中間段階迎撃ミサイルの開発に天文学的金額の資金を蕩尽しており、欧州とアジア太平洋地域に各種形態のMDシステムを前進配備したのに続いて、それを統合運用しようとする腹黒い下心を追求してきた。

現米行政府のMDシステム近代化企図もやはり、敵国の報復攻撃に対して憂慮せず、相手に対する先制的な核攻撃に何の心配もなく移行できる条件を完備し、全人類の共同の富である宇宙空間を戦場化、軍事化して全地球的範囲で米国の軍事的覇権を実現しようとするところに、その真の目的がある。

現米行政府が核を保有した敵国の攻撃脅威をうんぬんし、同盟国と地域MDシステムを一層強化すると言い立てた事実は、米国のMDシステム近代化策動が核大国が集中しているアジア太平洋地域で一層本格化しうるということを示唆している。

日本をはじめとする同盟国と推し進めている極超音速迎撃ミサイルの開発を加速させ、韓国をはじめとする複数の地域に高高度ミサイル防衛システム「THAAD」のような先端軍事装備をより多く配備しようとする米国の策動が一層ひどくなることは火を見るより明らかであり、これは必ず地域諸国の安全上の憂慮を刺激するようになるであろう。

より厳酷になる世界的な安保環境はわれわれをして、日ごとに増大する米国の軍事的覇権企図に対処して国家の安全権と発展権を頼もしく守られる核抑止力を中枢とする自衛的国防力を絶え間なく発展させていくことを切実に求めている。

朝鮮民主主義人民共和国は今後も、敵対勢力の増大する軍事的脅威に限界を知らない軍事力の強化で応えるであろうし、強力な自衛的力に依拠して世界の平和を守り、より安定した地域安保環境を構築していくであろう。---

www.kcna.kp (2025.02.03.)